論文をオープンアクセス(OA)にするには
研究成果の公開と利活用 〈 実践編 〉
義務化対象論文のオープンアクセスフロー
OA義務化対象となる論文を投稿したジャーナルが、従来の購読型出版からOA出版に選択可能なハイブリッドジャーナルだった場合、論文をOAにするためにはどちらかのフローを選択する必要があります。

グリーンOAとゴールドOAの比較
グリーンOA | ゴールドOA | |
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メリット | 著者の費用負担ゼロ | 著者の費用負担大 |
デメリット | ファイル公開等の手間がかかる場合あり | 著者に追加の手間なし |
APC (論文出版加工料) | なし | 著者がAPCを負担する |
公開可能な論文の版 (バージョン) | 著者最終稿、査読後受理原稿 (AM: Accepted Manuscript) | 出版者版、最終公開版 (VOR:Version of Record) |
公開可能なプラットフォーム | 機関リポジトリ(OUKA)他 | 出版社サイト |
公開禁止期間(エンバーゴ) | あり(ポリシーに定められた期間は公開できない) | なし |
グリーン・オープンアクセス(セルフアーカイブ)
グリーンOA(セルフアーカイブ)は、学術雑誌などに「掲載済み」の論文を論文著者が自分の意思で公開し、誰でも無料で読むことができるようにするものです。
公開可能なプラットフォームは機関リポジトリ(OUKA)、分野別リポジトリ等さまざまですが、公開できる論文の版(バージョン)が著者最終稿(AM: Accepted Manuscript)なのか出版者版(VOR:Version of Record)なのか、また、公開できない公開禁止期間(エンバーゴ)が定められているのかどうか、その論文を投稿したジャーナルのポリシーによって異なります。そのため、ジャーナルのポリシー等を確認し、公開可能な論文の版、猶予期間の有無等を調べる手間が発生します。
大手出版社の多くが、論文著者によるグリーンOAに関するポリシーを公表し、遵守すべき条件を定めていますが、定めていない一部のジャーナルに投稿した論文をグリーンOAにする場合、出版社もしくは学会に確認する必要があります。
グリーン・オープンアクセスの支援
そんなグリーンOAにかかる著者の手間を解消するために、大阪大学では以下のツールをご用意しております。
研究マネジメント総合システム(これからの論文をOAにする) ※準備中です※
ゴールド・オープンアクセス(オープンアクセスジャーナル)
ゴールドOAは、論文著者がAPC(Article Processing Charge; 論文出版加工料)を支払うことで、出版した論文を無料で読むことができるようにするものです。
ゴールドOAが可能なオープンアクセスジャーナルには、著者がAPCを負担してOA化するかどうかを選択可能なハイブリッドジャーナルや、著者がAPCを必ず支払うことでOAとなるフルOAジャーナルなどがあります。
多くの場合、こうしたジャーナルの出版かかるコストは、論文の投稿者が出版社に支払うAPCで賄われているため、APCは高額になります。
近年、APCの取得を目的とし、学術研究の質に関係なく論文等を掲載する悪質な雑誌(いわゆるpredatory journals)が増加しているとされています。
悪質とされる雑誌に論文が掲載された場合、研究者としての信頼性やキャリアを損なう恐れもあります。投稿先を選択する際には下記のページでご紹介しているようなツール類をご活用いただき、くれぐれもご注意くださいますようお願いいたします。
ゴールド・オープンアクセスの支援
そんなゴールドOAにかかる著者のAPC負担を軽減するため、大阪大学では以下のサービスをご用意しております。